B’z 楽曲レビュー#41 / どうしても君を失いたくない 独自に解釈&解説!

B'z 楽曲レビュー

こんにちはー 駆け出しブロガー、らーきいです!
今回は前回の「恋じゃなくなる日」に引き続き、1992年12月にリリースした4作目のミニ・アルバム「FRIENDS」に収録されている「どうしても君を失いたくない」を独自に解釈し、解説します!  この時作詞者の稲葉さんは28歳。 

コンセプトアルバムである「FRIENDS」は収録される全楽曲で1つのストーリー性を持たせており、このどうしても君を失いたくないは歌詞入りの曲としてはラスト、全4曲でそれぞれ表現されたテーマである「回想」「再会」「葛藤」「解決」の中で「解決」にあたります。

前曲からの強い葛藤は曲の最後で解消したかに見えましたが、その恋の行方はついにこの最終幕でどのように決着されるのでしょうか。これにてFRIENDSの解釈も幕を閉じます! 早速、その内容を一緒に観て行きましょう!

(著作権の関係により歌詞の表示が基本的にはできません。 以下の太文字””くくりにあたる部分は出典: どうしても君を失いたくない /作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘 からの引用です。)

狂いなく 季節はくりかえし 新しい冬がまた来る
凍りつくような 空気に包まれ 今日もめまぐるしく僕は暮らす

前曲「恋じゃなくなる日」で二人の関係は再び幕を閉じました。アルバム「FRIENDS」は冬をテーマにしており、あれから少なくとも一年の時が経ち新たな冬が訪れた、ということですね

主人公は少なくとも忙しい日々を送っているようです

明け方の濡れた道に 車を停めてひとりで目を閉じ
少しだけ懐かしい 夢を見た 僕が走る夢を

早朝、車の中でうたたねをしたのでしょうか。自分自身が走る夢をみました。「懐かしい」と言っているので少し昔のことでしょう。「いつかのメリークリスマス」や「僕の罪」で歌われていた「夢」とオーバーラップします。がむしゃらに走っていたあの頃を思い出したのでしょうか、それとも”君の欲しがった椅子”を抱えて走ったあの時でしょうか

どうしても君を失いたくない 胸の奥から叫んでる
戻ることのない流れの中で 心燃やした人だから

彼女とは終わった、そんなことは分かっています。それでも「どうしても失いたくない」と心の底から本心を打ち明けています。ここで「失う」というのはおそらく完全に関係をなくしてしまう、つまり音信不通になってしまうほどに失われた関係なのか、お互いを思い出したくもないほどに壊してしまった思い出の共有なのか。
主人公はそんな終わり方だけはしたくないと願っているのでしょう。今は思い人ではなくなっても、自分の大切なひと時に”心を燃やしたほどの人”だったのですから

窓に落ちる雪の粒は はかなく溶けてなくなり
人気のない交差点をならんで歩く二人が見える

恋じゃなくなることは 人を裏切ることになるのか
愛を貫くことの結果は ひとつだけなのか

交差点をならんで歩く二人とは”主人公と「君」”であると想像されますが、それは主人公の回想の中で起こっている情景なのでしょう。 

前曲「恋じゃなくなる日」で二人の恋人としての関係は終わったのでしょう。それを主人公は裏切りとはしたくなかった、だからここでは「裏切ることになるのか」と反語表現を用いています。そして今二人は友達(アルバムタイトルである”FRIENDS”ですね)となりたいと主人公は願っている、これも一つの愛のカタチである、と表現していると読めそうです。

“愛”、ってなんでしょうね。これはブログ主の持論になってしまいますが、”愛”とは相手の幸せを願い、手間や時間、共感、時にお金を使ってあげることだと考えています。”幸せを願える関係”を愛の前提にすればその対象は自分の恋人や親や子供に限らず、友達や知り合いにまで”愛”の行使範囲は広がると思うんです。それはおそらく”love me, I love you”で説かれている通りですね!

ここで主人公が望むことは二人は”恋人同士”ではなく”良き友達”となること、そして友情を通じ、愛を貫ける一つの結果として自分達の関係を帰結させたいのだと解釈しています。

どうしても君を失いたくない 胸の奥から叫んでる
戻ることのない流れの中で 心燃やした人だから


同じ涙を流しあえる かけがえのない人よ
どうか強く手をとりあおう つらい時は泣けばいい

同じ時間を共有し、同じ苦しみを味わって二人には今があります。だから”かけがえのない人”になりえたのでしょう。
そして今は友人として力をかし、弱みをみせることもできる、そう解釈できます。

二人のことに蓋をして生きるとか
激しく憎みあって忘れるとか
僕らの行き先がどこかに あるはずだ

ここで表現される”蓋をして生きる”ことも”憎み合って忘れる”こともたくさんある未来のシナリオの中のひとつであり、それは幸せではないシナリオです。
”僕らの行先”として二人の出した結論としてはどのようにしたいのか、主人公は上記のとおり、良き友となることを望みます。

どうしても君を失いたくない 胸の奥から叫んでる
戻ることのない流れの中で 心燃やした人だから
いつかいっしょに海に行こう 波の音を聞きたい
あの日の砂の上で踊ろう 過ぎゆく日々に手をふって

そして、友人として仲直りできたのでればまた、一緒に海に行き波の音を聞きたい。
その時には必ず悩み苦しんだ日々に二人そろって決着できる、ということです。

追憶のかけらは うっすらと白く 世界を包んでいる
君は目覚め出かけてゆく
変わらない街のひとごみの中に

今過去の3曲で表現された思い出は主人公にとっては追憶となっています。
そして「君」は目覚め、街へ出ます。彼女の視点からは何も語られません。主人公の「友人としての復縁」という関係は彼女にとってはどのように受け止められるのでしょうか。
それはここからは全くわかりませんが、きっとその願いを成就させる、という強い想いを残しアルバムは終幕を下ろすのです。

恋愛関係にはここで決着と心の整理がついた、とみますが最後の想いをそのままに終わるのは表現の仕方として美しいなあ、と思います。

アルバムタイトルの「FRIENDS」、日本語に直すと”友達”ですが、英語の意味としては”恋人”も含むんです。アメリカ、イギリス圏ではGirlfriend、Boyfriendとも言うように結婚を前提としたFiance(婚約者)とならない限り、恋人の立場であってもあくまで日本語で言う”友達”とも解されるfriendの域をでないわけですね。
このアルバムではやはりFRIENDSであり続ける主人公と「君」との微妙なその立場の変化にフォーカスしていた、ということでだと思います。そして最後の歌詞にあっても主人公は二人がFRIENDSとして生きていきたい、と願うのです。エンディングバラードとして素晴らしい一曲です

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