B’z 楽曲レビュー#26 / 兵、走る 歌詞の意味を独自に解釈&解説!

B'z 楽曲レビュー

こんにちはー 駆け出しブロガー、らーきいです!
本日は2019年5月にリリースされたB’zの21作目のオリジナルアルバム、「New Love」に収録されている「兵、走る」を解説していきます!

まずですね、タイトルが読めません笑。これはほとんどの人が「へい、はしる」と読むでしょう。

松尾芭蕉の奥の細道に「夏草や 兵どもが 夢の跡」という詩があり”古文でなんかやったかもしれない”、という方はいるかもしれませんが、、 稲葉さん、タイトルや歌詞にちょっと古風なテイスト入れることがあるのは昔からですね。

そしていやでも耳に入ってしまうイントロ部分のコーラスの「へいへいへいほー へいへいほー」ですね。「え? さぶちゃん?」と思ってしまったのは絶対僕だけではないはずです。実のところ調べてみたらこれは「えいえいえいおー えいえいおー」と歌っていてつまり勝どきを上げているわけですね、「へ」と「え」だけでこれだけ勘違いできるわけですが、僕は日本全国が勘違いに包まれたと思っています。

さて、そんな点を踏まえつつなんですが、この歌はそもそもの生い立ちを追っていくと「リポビタンD」のラグビー日本代表応援ソングとして作成されています。普通の単発CMではなく7つのパートに分かれたリポDの大型CMのテーマソングなんです。ウィキによれば松本氏いわく「イントロのパートはラグビーをイメージして”そういうパートがあった方がいい”と判断されて後から追加された」という事らしいです。また「曲本編のメロディーは”家に一人でいるときにふと思いついた”」とコメントしています。

つまりイントロは与作が木を切っているわけではなく、試合後の雄たけび、というわけですね。

それを頭に入れて歌を聞けば歌詞もしっくりくるはずです。前置きが長くなりましたが歌詞を観ていきましょう!

(著作権の関係により歌詞の表示が基本的にはできません。歌詞をつけての翻訳・解釈はこちら(楽天ブログ)でしておりますので是非どうぞ! 以下の太文字””くくりにあたる部分は出典: 兵、走る /作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘 からの引用です。)

1番メロ

歌詞はガチでラグビーの応援ソングですね。その視点は選手ではなくその試合を見守る人のものです。泥と汗にまみれて奮闘する選手をみながら応援者たちは気が付きます、それはスポーツ選手に限らず「皆限界まで挑む権利がある」ということを思うのです。

1番サビ

「アナタ」って誰でしょう? 選手たちにしてみれば勝利の女神、そして彼女から送られる「チャンピオン」の称号。ここではワールドカップがかかっていますから行きつく先はただの優勝者ではありません。「世界一」のラガーメンです。

しかし1番の歌詞から応援者の視点に立ってみても「アナタ」はきっといるでしょう。それぞれの立場から望まれた最終目標、それは人により千差万別ですが、誰にだって「限界まで挑む権利」があるならその先にある「アナタ」へタッチすることはできるかもしれません。その目標とは人によっては志望校に合格することでしょうか、部長に昇進することでしょうか、はたまた宇宙飛行士のキャリアパスを勝ち取ることでしょうか、何にせよ「限界まで挑むこと」は誰にでも可能なのです。

2番メロ

この歌詞のすごいところはただラグビー選手達を単に応援している歌というわけではなく、「日本代表」を応援した歌になっているところだと思います。「花吹雪乱れ散る」とは古来からの表現ですが、桜散る中での勝負、日本人による勝利、といったイメージを彷彿とさせる表現です。「そして自分が倒れてしまっても」たすきをつないでゆく、この「己を捨ててもチームで勝ちにいく」というのはスポーツならどこの国もある程度同じ考え方をするかもしれませんが(と言ってもアメリカなどはチームスポーツでも「俺が!俺が!俺様が!」カルチャーなのでそれはそれでおもしろいんですが)日本は特に所属組織のための自己犠牲を大切にするような考え方が強いイメージがあります。先輩がここまで築いたものを後進に残し次の世代の勝利につなげる、といったこの辺の表現も日本代表をうまく表現していると思います。

2番・ラストサビ

「Try(トライ)」というのはラグビーの得点方法のひとつです。しかし、英単語として、「試してみる、挑戦する」といった意味があります。ここはラグビーの試合とそれを応援する一人一人が持つ「挑戦」をかけているということですね。

最後のサビは基本的に繰り返しになっていますが、”ゴールはここじゃない 安住の地などない (そんなのはない)”と歌っています。これはすごいことですよ。つまり最後のゴールはないといっているんです。そう、たとえ地区予選で勝っても、次はさらに上の大会が、ワールドカップで優勝すればその上はないかもしれません、でも翌年は? 次の世界大会は?、、 そう、終わりはないんです。工夫と技の伝承はずっと続いていきます。勝ったからといって決してこそで終わりではない。これはなんでもそうだと思います、高校受験に受かっても次の大学受験が、一流大学を出ても次に社会で試練が、部長になっても次は役員レースが、JAXAの候補生になっても実際宇宙へ行けるかはわかりません、そして仮に宇宙へ出られたとして、宇宙飛行士として一体何を人類のに残すのか? そう、常に目標は更新され、新たなゴールが出現します。「安住の地などない」というのはそういうことでしょう。

そしてこの考え方は間違いなくB’zが常に胸に燃やしているものでしょう。でなければ30年以上音楽業界で現役をやって「国民的な」とかいう称号を得ることは不可能です。そう思うとやはり、ラグビーに限らずB’z自身の姿勢を歌っているし、そして僕自身の人生にも多かれ少なかれ照らし合わせることができてしまう、なんか感慨深い歌詞だなあ、って思います。

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