2番メロA(部屋を埋める ~ 言葉が舞う)
詩的な言葉並びます。2人は一つの部屋にいる、そして夜になった。どのような会話をしているのでしょう、しかしその言葉には意味がありません。少なくとも主人公には空虚な言葉にとして聞こえています。
ここまでの状況を推理していくとおそらく二人の関係はただの恋愛感情だけではない、一番のサビからも分かるように近づきすぎれば壊れ、距離を置けばぱっとなくなる関係、つまり”不倫関係”になろうとしているものかと思います。
この歌詞の真意として”空虚な会話になってしまうのは、いつでも破滅を招きかねない危険な関係ををこれからどうしていくか、それが2人の間で話されていないから”という事になりそうです。しかし同時に状況は闇の夜であり、2人は同じ部屋に存在しています。2人の物理的距離は非常に近い。
2番メロB(あなたはどうして ~ 鍵を掛けたい)
その二人の関係をどうしたいか、”あなた”の考えを主人公は知りたがっています。ドアにカギをかけるとは、他の誰も中に入れさせない、という意味。つまり主人公としては”二人の秘密の関係を進めてしまいたい”と思っている、という風にとれそうです。
”手あかだらけにするより あなたの匂いだけでいい”と言っていた一番から主人公の心境に変化がみられると言えます。つまり気持ちを抑えられないくらいに好きになってしまった、という風にとれそうです。
2番サビ(燃え上がる ~ だから You pray,I stay)
ぶつかるなら砕けちる想い、とはまさに破滅への恋愛を思い起こさせます。
わかっているし、こわがっています。
You pray, I stay、一番と同じフレーズが歌われていますが、一番では主人公”僕”は”STAY(その場所にいる、たたずむ)”しているものの、少なくともレースのカーテン越し、つまり距離があったはずです。この2番で主人公が佇んでいるのは”夜に彼女と一緒にる部屋”、つまり彼女との物理的な距離は0です。同じ表現である、You pray, I stay、でも彼女との物理的距離感が全く違うこと、そうなると意味も変わってくることがポイントです。鍵をかけた部屋の中であなたとの距離が0の状態で夜に”I stay”を選ぶということはどういうことか? お分かりになると思います。
彼女は”祈っている”わけですが、1番では可能性として”ひそかなる彼との関係を望み(祈り)、2番において覚悟の固まっていない彼女は”不幸な未来が実現しないこと”、もしくは”彼への気持ちがこれ以上強くならないこと”を祈っている、と解釈しています。
間奏(教えてくれ ~ 強がっているの)
何を強がっているのか、社会的な立場か、世間体か、はたまた自分達の家族を守ることか、強がり=建前、つまり本音は相手への想いを隠せなくなってきている2人の心境そのものです。主人公は彼女との関係を進める事を強く望んできていることが分かります。
ラストサビ1(傍にいれば ~ 凍りついた海の中)
近づきすぎても破滅、離れるならそれっきり、中間的な距離を取れない、そんな関係はまさに不倫の泥沼を思わせます。
”凍り付いた海の中”、これは相当に詩的です。動こうにも動けない二人の心と、未来の見えない愛への絶望感を同時に表現している、とすれば絶妙でしょう。
ラストサビ2(こわれよう 燃え尽きよう ~ そして I pray,You stay)
出典: You pray, I stay /作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
そして主人公は心を決めます。”燃え尽きる”と。
どうなるかはもちろんわかりません。でもそれでもあなたを忘れたくない、と思っています。
2番サビでは2人とも、すくなくとも主人公は”こわがって”いました。しかしここでは相手へ”わかった上で、こわがらないで”と呼びかけています。主人公は一線を越えようとしているわけです。
最後にフレーズはIとYouが逆転します。ここでの意味は、”私はあなたを求めることを懇願(Pray)し、そしてあなたの方が今度はどうすればわからず動けない(Stay)”ということです。
非常に二人(主に主人公)の心境、そして”静”と”動”にフォーカスした歌詞です。
果たしてこの恋愛は結ばれたのでしょうか、全くわかりません。相手はもしかしたら最後まで動けなかったのかもしれません。歌詞を見渡しても二人の「物理的な動き」はほとんどなさそうですが、その二人の「心の動き」については緻密でかつ詩的な言葉で克明に表現しています。
正直、詩的であるがゆえにぱっと聞いても非常に意味のとりにくい歌詞だと思いますが、上記のように解釈できるとしたら、一言一言がとても綺麗で繊細な楽曲だとわかるでしょう。見事な歌詞です。
一緒に入っているシングル、「May」の解釈もこちらでやってますので是非どうぞ!
この記事がよかったら下のバナーをポチっと!
にほんブログ村
コメント