B’z 楽曲レビュー#19 / もう一度キスしたかった 歌詞の意味を独自に解釈&解説!

B'z 楽曲レビュー

間奏

幾度も迷いに迷った関係にもついに最後の時が来ました。季節はもう木枯らしの吹きすさぶ冬となっています。

互いにこの恋が立ちいかないことは分かっているのでしょう。でも互いに本気だった。限りになく自分の中の「1番」大切なものに近かった。本気だからこそ心は疲れ果ててしまったのです。それこそが「痩せてしまった二人の灯」なのでしょう。

二人は再び同じ場所にいます、最後の決断を二人で下すためにそこに来たのです。

ラストサビ パート1

もう結論は出ていました。

二人がここに来たのは最後のけじめをつけるために他なりません。最後に向き合う二人は穏やかな笑顔をたたえます。二人が出会ったことは決して後悔するべきことじゃない、意味のあったことだったと確かめ合ったのでしょう。最後の杯を飲み干した時、二人は本当に最後のひと時を過ごすことに互いに同意したのです。

その空白のひと時については敢えて語られません。


ラストサビ パート2

ついに別れです。

外は寒さで息は白くなります。最後に車に乗り込んでいくとき、やはり「もう一度キスしたかった」と主人公は思います。この時のキスは前回や前々回の時の気持ちとはまた違います。
最後のけじめの証として、そして一緒に過ごした短いひと時が本物であったことを確かめるための「キス」だったのではないでしょうか。しかしやはりそのキスがなされることはなかったのでしょう。心が泣きたくなるような切ない瞬間です。

そして物語の幕は閉じられるのです。

話自体は多分どこにでもある2人のラブストーリー、その凄みは?
ここまで見ていただいた方はお分かりの通りかと思いますが、この楽曲は物語としてある男女の夏の出会いから冬の別れまでが描かれており、曲が進むごとに季節が移り替わり、同時に二人の関係も刻々と変化していくという歌詞です。

ウィキピディアによると作曲の松本さんに「単純なメロディーの繰り返しなので、歌詞に展開がないと間延びするかもしれない」と言われ、稲葉さんはストーリー性のある歌詞に仕上げたということです。

松本さんは「『もう一度キスしたかった』というフレーズが3回出てくるけど、「何でもう一度キスしたかったか」が違うんだよね。こういう稲葉の作詞のテクニックはすごいね」と絶賛したそうですが、確かに「キスしたかった」の意味は上記でも記述した通り、同じ行動を望んでいるにもかかわらず主人公の心境はかなり違いますね。

恋物語はそれほど特別なものではない、だから僕らも身近に感じられます。B’zのすごい所はその普通の物語を見事な切り口で小説のようなラブストーリーにしてしまうこと。松本さんも言うようにメロディーが単調なのにそれでも名曲にしてしまうのは、この楽曲の場合その歌詞に凄みが出ているという事でしょう。それにしても目の前にその光景がありありと浮かんでくるほどの見事な色彩と心境を織り込んだ歌詞、もう「見事」の一言です!

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