(歌詞はじめから)
イントロ
自然と人の対比です。愛と奪い合い、奪い合いを意味する愛とは略奪愛、ともすれば不倫です。そこには悦びと悲しみ、そして乱れる心、すべてが含まれています。そのような人間の暗い事情など自然にはわかりもしない、ということです。
1番メロ
主人公はすでに相手のある女性(主人公を男性と仮定すれば)に恋焦がれんばかりに好きになってしまったのです。きっと悪意はないのでしょう、子供のように純粋なこころで好きになってしまった。相手が結婚しているかどうかはわかりません。しかしもしそうであれば不倫、そしてその最後は大抵ハッピーエンドにはなりません。実ったとしても不誠実のレッテルをつけられてしまう恋です。それでも結末まで思いを至らすことができないから「子供のようにうろたえるばかりの不始末」と表現しているのではないでしょうか。
1番サビ
悲しくも夢中の恋に陥ってしまった主人公にとって、その人との出会いは「埋もれ、死んでいく」別れとなるのです。略奪愛である以上、「生きた関係」として続けていくことができないと見切っているのでしょうか。二人でいられる時間は「わずか」、だからその貴重な時間でお互いを「むさぼり」たいと思うのです。タイトルでもある「夢見が丘」、そのあとに示される「聖なる心の丘」、主人公はあくまでも純粋に気持ちを君にぶつけています。でもそれははかなく消えていく「夢」のような出来事ということでしょうか。
2番メロ
優しい瞳をした先生がかつて教えてくれたこと、きっと”まっすぐな人間関係を作ること”、”人を傷つけないこと”、”自分がされていやなことを人にしないこと”、、、、思い出せないのではありません。教えてもらったことに反することを今自分がし続けているから、あまりに心苦しくて先生の言葉を思い出せないふりをしているだけではないでしょうか。
主人公の言葉は純粋な愛の言葉です、しかしその愛が重ければ重いほど、「君」は深く、永遠に傷つきます。「君」はふたりの大切な人間に挟まれて、どちらかを選ばなければいけない重圧に傷ついていくということかもしれません。「君」という存在も主人公と同様に深い良心をもった純粋な人なのでしょう。
2番サビ
消える関係を止められない主人公。「色褪せた景色」、それはかつて、略奪愛を考える前の自分が見ていた風景でしょうか。もっと自分自身がまっすぐでいられた時のことかもしれません。主人公は優しい人間だと思います。罪を意識して苦しみを味わっているまっとうな人間。その優しい人間が「本当に優しくなれる」瞬間とはきっと罪を感じるより以前の自分自身ではないかと解釈しています。
間奏 1
罪を感じる前、自分の持っていた聖なる心の丘、それでもそこへ行けばいつでも自由を感じられる。それは苦しむ主人公がいつもすがっていた、誰にも邪魔されない彼が好きなことができる心の空間。つまり「夢見が丘」とは彼の、そしてだれもが持つおのおのの「自由なこころの世界、空想の場所」なのではないでしょうか。
間奏 2
ラストサビ 出典: 夢見が丘 /作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
純粋である彼はその純粋な愛する心、そして二人の関係と、彼の「愛を奪おうとする」行為を比較して思います。「正しいのか間違っているのか、わからない」と。永遠には続かないであろう時間に彼女を抱きしめるのです。
「炎」が近づいてきます。この炎はゆっくりと、でもはっきりと主人公たちに向かっていきます。この炎とは彼の心の空間である「夢見が丘」から現実へ向かうことを告げる案内人ではないでしょうか。お互いに抱きしめ合える時間は終わり、「炎」がそれを告げにきたのです。夢見が丘はまだ夢を見続けるかもしれません。でも彼はその甘美な夢から覚めこれから現実へと向かう、そのように解釈しています。
夢見が丘と二人の行方`
もう一点、彼が彼女に思いを焦がしていることは伺えるのですが、歌詞からは彼女からの視点や、具体的に二人がどのように行動を共にしたかは全く描かれていません。彼は彼女と会ったと言いますが、あくまでそれは彼の中の「夢見が丘」であっていた、つまりそれは彼の空想の中のことだけである可能性があるんです。歌詞の中にも”君を奪いたくなる”とあります。つまり、まだ奪ってしまったわけではない、彼は決まった相手のいる女性が好きになってしまったがともすればそれはあくまでも「片思い」である、という可能性も考えられるんですね。しかし他人の女性に恋をしたと言っても片思いの段階でここまで悩むとは、、、 純朴ですね。
さて、実際に片思いであったか、それとも二人は実際にお互いに対し恋の感情を持って何らかのアクションがあったのか、それは結局わかりませんがいずれの結末も現実に即してしまうと幸せなものではないのかもしれません。それを幸せな恋のままで終わらせてくれる場所、それがきっと主人公にとっての”夢見が丘”なのではないかと思うんです。
終わりに!
さて、こじつけもあるかもしれないし、あくまでブログ主の独自解釈なので「そんなの違う!」とのご意見もあるかと思います。上記あくまで解釈のひとつですからね。
「不倫・略奪愛」というワードにつなげるまではただただ「なんか壮大な曲だなあ」という感想で終わっていたのですが、どうも上記のように考えると、悲しげな全体の曲調とか、苦しんでいる感じの主人公とか、いろいろとしっくりくるんですよね。ということで「とても繊細で優しい心をもった主人公が他の男の女性を本気で好きになってしまった話」ということで解釈しました。あまりにも具体的な情報が歌詞にはないので、上記が僕の想像力の限界なのですが、そこまで優しくそして純愛ができる主人公なら夢見が丘を出た後もどうか幸せになってほしいと願うばかりです(実在の人ではないと思いますが)。
この曲はB’zのシングルの座を争ったこともあるほどB’zの楽曲の中では注目されていた曲だったそうです。しかし歌詞を眺めてみると「やっぱりシングル向きではないよなあ」とは思えますよね、ちょっと壮大すぎるし、ぱっとみ難解だし、、、
非常に解釈は難しかった曲だったので書き終えて気持ちが晴れ晴れです!
次ページはおまけ:Chat GPTによる”夢見が丘”の解釈は?
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