らーきい流解釈:バックストーリー
およそ3000年前のその昔、ある海辺の小さな国が舞台。そこにはある若い男と少女がいた。
男は多くの子分たちをかかえる海賊団の親分、そして純朴であった彼は少女に淡い想いを抱いていた。一方少女は美しく、また野心的であり、永遠の命を願っていた。
そんなことが叶うはずないと思っていたが、ある日少女はとある古びれた書物を町のはずれの遺跡で発見し、それを見て信じられないようなまじないが封印されている事を見つける。
そこには書かれていたのは”これはそなたを幸せにするまじない。もしそなたが望むのであれば永遠の命と不老を授ける、ただしその代償としてそなたは病を避けられぬ体となり、記憶を失い、かつ周りに生きる者たちを巻き込んでずっと生きることができる”
少女は迷った。夢にまでみた永遠を叶える方法がある、しかし自分だけならまだしも周りの者たちを巻き込むとは、、、しかもどのように巻き込むのかは全く書かれていない。
その悩みを相談された海賊の男はそんな少女の気持ちを理解しようとする。「君が望むなら永遠を手に入れたらいい、俺たちはそれでも君が好きだし何があっても守り続けるさ」
そして少女はある晩、ついに好奇心に負けてまじないを開放してしまう
あの後一体何が起こったのだろう、少女はどこかへとその体と意識を飛ばされた。
飛ばされる前の事は何も覚えていない、もちろんあの笑顔の素敵な海賊や生まれ育った海辺の町のことも、、、 そしていつもどこかのベッドにいた。時間だけは着実に経っていく、しかし鏡にうつる自分の顔は何年経っても変わらない。
そのうちにまた別の空間へと飛ばされる、前の空間と生活の事はぼんやりとしか覚えていない。でもはっきりとわかっている事はここは実存する世界のどこかで、確実に時間の経過は刻まれていく。
そのうちに一時期を過ごしていたイングランドではマザーグースという伝承が生まれ、編纂され、そして紡がれていった。そんなことを知ってからもうすでにずいぶんと時間が経っている気がする、、、昔、自分の事をいつも見ていてくれた大事な人達がいた気がする、でも一体誰だったんだろう、、、思い出せない。
気づけばいつも新しい町、言葉、人々、環境、そして変わらない私の顔と病弱な体。私は一体、、、、?
時はさかのぼってその一方、少女によりまじないが開放された時、海賊の男と子分達は彼女の部屋に駆けつけ目を疑った。「彼女はどこにもいない、、、、消えた!?」
何が起こったのかさっぱり理解できなかった。男は子分達を連れて、あらゆる海から海へと彼女を探しまわった、そう、彼は彼女に恋をしていたとようやく気づいた。
彼らは長い時間をかけて古今東西を彷徨い、少女を探し回る。しかし長い冒険の末にも彼女を見つけ出すことはとうとうできなかった。海賊の男と子分はついに彼女の事を諦め自分達の人生を送ることになるかと思った、、、、
しかし、ある晩、彼らの船は巨大な嵐に巻き込まれ海の藻屑へと消えていく。
死んだ、かと思った。いや死んだんだと思う。
しかし男と子分たちはいわゆる「あの世」へ行くことはできなかった。その魂は身体を失い、しかしまだ現世にいるのだ。どこへだって行ける、誰にでも会える、自分達にはみんなが見える、でもそこにいる人々には、、、、自分達は見えていないようだ。
「なんてことだ、俺たちは幽霊だ」
男とその子分達は気づいた、すべての元凶に、そう、あの解き放たれた封印に。きっと彼女は必ずこの世のどこかもいる。探し出すんだ、そして連れ戻せ、この魂でもって。そして彼女と共にこの元凶を再び封印し、「俺たち」をあるべき場所へ還すんだ。
現世に永遠の命を与えられた病弱な少女「セブンティーン」、その体では現世の人々に何を伝えることもできない海賊の幽霊でありながら、そしてその魂を現世に映し出すための器である「アンドロイド」とその子分達。時を超えて、彼らの少女を廻る次の航海が始まったのだ。
、、、、とまあ、こんなストーリー、どうでしょう?
上記は完全に僕の創作ですのでピッタリとピースがはまるかもわかりませんが、ゴーゴー幽霊船の歌詞の様々なところで頭に「?」が付くようなポイントを解消できるストーリーになっていると思います。
僕のバックストーリーはただの例えであって、アンドロイドの正体は海賊ではなく、宇宙のどこかで彼女とかつて暮らしていた生命体かもしれませんし、おまじないの正体とは不老不死でなく”生まれ変わってしまう呪文”かもれません。なんでも成立してしまいますので無数にストーリーは描けると思います。僕は必ず米津さんの頭の中にはそのオリジナルバージョンがあると考えています。
いずれにせよこのゴーゴー幽霊船はいろんな角度でもう様々な解釈ができる歌だと思います。僕も他の歌詞解釈をされている方々のブログを読みましたが、これは決まった解釈があるわけではなく聞いている人が勝手に考えてもらえれば結構、という米津さんの意図を感じます(ホントかどうかはわかりませんよ)。
ですのでもうリスナーが勝手に想像したらいいなあ、と思うんです。
この記事が誰かのインスピレーションになってくれたらブログ主としてもうれしいですね!
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